「やらなきゃゼロ!」(鈴木直道)

若いエネルギーで未来を変えて欲しい

「やらなきゃゼロ!」
(鈴木直道)岩波ジュニア新書

今年も政治家の不祥事が
相次いでいます。
かつて政治家のスキャンダルといえば
収賄をはじめとする汚職事件でしたが、
近年は暴言に失言、
パワハラにセクハラ、不倫等々、
質が変わってきたように思えます。
それがいたって
若い議員さんたちであるのが残念です。

私は若いエネルギーで
政治を変えて欲しいと願い、
選挙ではなるべく
若い候補者に投票しています。
同じ気持ちの方は多いと思います。
そんな有権者の期待を
見事に裏切った議員の先生方。
しっかりしてください。

もちろん、多くの若い人政治家たちは
しっかり取り組んでいると思います。
むしろ、
「今の若い政治家たちは立派だ」と、
私は感じることが多いです。

本書の著者・鈴木直道氏は
そうした若い世代の
トップランナーといえるでしょう。
数年前(2011年)
大きく話題になりました。
財政破綻した
高齢化率全国№1の夕張市に、
全国最年少市長が
誕生したというニュースです。

鈴木氏は元々は東京都職員。
夕張市に二年間の出向後、
夕張市長選立候補を打診されます。
立候補といっても
簡単ではありません。
都庁の公務員の身分を
捨てなければならないのです。
落選すれば無職、
当選して市長になっても
年収は200万円ダウン。
しかもその時すでに氏は婚約していた!
並みの神経では
立候補を決断などできないでしょう。

しかし彼は立候補し、
見事当選を果たします。
そして日本で唯一財政破綻した
夕張市を立て直すために
奔走するのです。
まずは読んでいただきたいと思います。
そうでなければこの厳しい状況と
日々対峙している鈴木氏の奮闘ぶりは
理解できないでしょう。

この奮戦記は遠い北海道の
一市町村の問題ではないと思うのです。
夕張市は日本全国の過疎化が進む地域の
将来の姿なのです。
地方自治体の首長に第二、第三の
鈴木直道氏をつくらなければ、
日本は滅んでしまうのではないかと
危惧する今日この頃です。

中学生、そして高校生に
薦めたい一冊です。
彼の情熱を、彼の志を、彼の行動力を、
ぜひ読み取って欲しいのです。
そして明日の鈴木直道を
目指して欲しいのです。
心からそう思います。
君たちの若いエネルギーで、
この国の未来を変えて欲しいと、
未来の少なくなったおじさんは
切に願うのです。

※今年4月には北海道知事選挙勝利!
 さらなる活躍をお祈りいたします。

(2019.8.20)

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